(20170928現在)
んばだ(ンバダ・ンバタ)【北ノ川・市ノ又】
「ん」と接頭に付く珍しい地名。ン・バタ(畑)なのかンバ・タ(田)なのかも不明。この「ン・・」地名は、大正北ノ川と市ノ又の二か所あるので誤植ではなさそうだ。方言では助動詞として使われることがよくあるが、日本語で「ン」から始まる単語はみあたらない。日本人は鼻にかける鼻濁音が不得意なのですたれていったのだろう。「美味い」は感動するほど「うまい」のウが鼻音になるし、梅も「ンメ」と発音する。幼稚語のオノマトペとして排便を促す「んーん」がある。日本民俗文化体系で「ん」の項をさがすと南西諸島で芋のことを「ン」と呼び、また沖縄の祭りに「ンダン祭り」「ンデイ祭り」などがあると書かれている。東北ではそうだという相槌の方言に「ンダ。」がある。これも方言周圏論の一つなのであろうか。文字としては残らなかったが話し言葉ではしっかりと「ン」は生きている。
四万十町の「ンバダ」地名。芋の「ン」がこちらにも流れてきたのなら、芋畑ということになる。
■語源
■四万十町の採取地
■四万十町外のサイノウの採取地