愚草の川柳集⑬

 

ふくべ

 

 

2018年夏


【編集子選】

モリトモの非ずのゴミに蠅がわき

忖度の 筆を曲げては蜜を祇め

上を読むひらめひがらめ出世魚

赤べこが それはそれはと首を振る

 

ひょっこりとふくべ非核の駒を吐き

マスメディア折り目なき世の紙細工

象徴の 鳥は青いか籠の鳥

 

※「ふくべ」は瓢箪でつくった酒器。

※出世を願うヒラメは官僚組織だけでない、忖度も組織を動かす大切な潤滑油だ。それでも度を超すといやらしい

※1947年9月23日の米国機密資料が公開。「米国による沖縄占領を日米両国に利する」という昭和天皇の見解であった。平成天皇は沖縄を11回訪れたのは過去でなく未来でなく「今」を真摯に向き合い「青い鳥」をささげるシグナルのようではある。ただ、慰霊や祈りは被害者への気持ちではあるが加害者としての立場はいっそう弱くなっている。天皇制という遺制は早く終らせないと、男子継承はジェンダーフリーでなく、天皇地位の世襲は門地による差別の禁止に反し、これが世界から日本の地位を低くなさしめている元凶である。オキナワも「琉球処分」の痛みから前に進めない。平成天皇は人として信がもてるが、上皇とならずに市民となって沖縄被害者、戦争被害国に謝罪すればなおよかったのに。<https://www.archives.pref.okinawa.jp/uscar_document/5392>

 


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