愚草の川柳集⑮

 

ひとや

 

 

2019年秋

 

 

 


【編集子選】

あとのない氷のカベと砂のクイ

千一夜 もしやカショギ氏筆執るや

 

寸鉄の一切なりゆき ヒ首なきや

 

AIの指紋ふきとる 碁石哉

 

文子の死 ひとや調べるセレナーデ

 

※愚草の世界観、生き方がよくあらわれた川柳集が「ひとや」かな

※「ひとや」とは何だろう。大正中津川には農家民宿「はこば」があり、そのおかみさんが「客子(ひとこ)」さんである。その宿の中津川でいう隠語かな思いつつ調べてみたら「獄」の意味という。最終句でわかった。

※最終句「文子の死」は注記があってもさっぱり読めない歌だったが、なぜか印象に残る。難しい言葉など素養のない編集子にとってネット検索は身近な辞書でひとやが牢獄の意味と知ることができた

 


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