『土佐民俗』
土佐民俗学会の会誌
昭和36年(1951)2月、土佐民俗学会の会誌『土佐民俗』が創刊された。
昭和34年4月29日、桂井和雄氏宅の書斎に座した4人で土佐民俗学会を創立し、その2年後のことである。以来、平成28年(100号・終刊号)まで発行した。
終刊号で編集者(代表者)の高木啓夫氏(89歳)は「創刊号の同人14名のうち消息のあるのは私のみ。寄稿者が高齢になると原稿が集まらない。こうして『土佐民俗』の展望が描かれなくなった。五十五年にわたり民俗を論じ、談じてきた『土佐民俗』をここに閉じる。」と結ぶ。
伊与木定氏(大正町弘瀬)は、この『土佐民俗』に25題を投稿している。初稿「北幡大正町の民俗二題-木地師のこと・飯食い祭り-(第2号/昭和36年)」は63歳、最後の寄稿は「遍路接待に芋煮しみのお花-幡多郡大正町-(第52号/平成元年3月)」で91歳のとき。
山間を足で綴った偉大な記録である。
還暦を過ぎてから民俗学を学び、地域を歩き記録した
「一身ニシテ二生ヲ経ル」の生き方である。
伊与木氏の投稿、四万十町地域の記事、地名に関する寄稿を要録して、偉大な『土佐民俗』へのいざないとしたい。
『土佐民俗』総目録
『土佐民俗』100号・最終刊は会誌創刊号から100号までと、別冊「共同採集報告Ⅰ」の目次を収録したもの。
この総目録は「分類項目別総索引」も掲載されており、興味ある民俗事象で検索することができる。また、執筆者ごとに寄稿号数も確認することができるので便利である。(ただし、各項目の下に記載された数字はこの総目録の頁数であり、発刊号数ではないので注意が必要。
なお、この総目録のエクセルファイルは編集子が土佐民俗を研究する者に検索性をたかめるためデータベース化したものです。十分な校閲ができてないので利用にあたってはご注意ください。
(20190629胡)