地名辞典の凡例


1.見出し語について

  1.  配列は、現代仮名遣いの「あいうえお」順とした。ただし、「ぢ」「づ」はすべて「じ」「ず」とした。
  2.  見出し語の次の段に読みを振り、その次の段に、地名の属性・2万5千地形図名・十進座標(高度)を表示した。(下の10項を参照)http://maps.gsi.go.jp/#12/33.220739/133.023148 
  3.  見出し語は、画面左の欄のア行からワ行の段で該当する項目を二度クリックして検索する。
  4.  トップ画面上のサイト内検索で地名を入力しても検索できるようにした。
  5.  同じ読み方の位置の異なる地名は、別見出しとした。ただし、字、ホノギ等の微細地名は項目数が多いため、見出し語として掲載せずに、大字の説明文に字とホノギの一覧を載せた。また付録として「大字別一覧表」に表した。
  6.  ただし、字、ホノギ等の特徴的な語彙については、地名の起源・由来としてあいうの音別のページに見出し語とともに解説を加えた。
  7.  見出し語の読み方は、地名の所在する地区で一般的に使われている読みとし、現地踏査により著者が判断した。使用頻度の高い他の読み方がある場合は解説文に併記した。信頼ある書籍に掲載された地名にふりがなを振っている場合を除き、語尾につく川や谷、橋の読みは原則清音を用いた。
  8.  地名の起源・由来については、見出し語の後に「地名用語」と付記して、語源の研究の通説を簡便に引用し文献資料を■略語(発刊年)で示した。文献資料の詳細は付録として区分別で刊行年の順に書名・著者名・刊行年を記載した。
  9.  見出し語となる地名の採択は、国土地理院発行の2万5千分1地形図、旧町村史(誌)など町内に関連する出版物に掲載された地名を収集するとともに、電子行政オープンデータとなっている資料等を補完的に利用し、編集方針により著者の判断で行った。なお、引用した電子行政オープンデータ等は付録にURLを付記した。
  10. 見出し語の中でも行政区、ランドマーク的な地名など主要な地名については、改行して電子国土Webから2万5千分1地形図名、十進表記の経緯度、標高を付記した。行政区等の位置は集会所、神社の所在地等を考慮し筆者の判断する中心地とした。引用数値は正確な所属を示すものではない。

2.解説文について

  1. 解説文は、原則として次の順序で記述した。
  2. 「大字」は、(1)地誌(2)地内の字・ホノギ(3)出典・資史料(4)フォトギャラリーとした。
  3. その他は、その地名の特徴に応じて、(1)地名の起源・由来(2)現況の資源(3)出典・資史料(4)フォトギャラリーとした。

3.主な符号・記号について

  1. ( )内は、読み方・意味・説明・注記・所在・年代などに用いた。年代は(西暦・年号と年)とした。事例(1954昭和29)。ただし、文末に付ける場合は、引用書籍名とした。また、現地踏査で地名説明をしていただいた人は敬称を略して(○○談)とした。
  2. 「 」は引用文・書籍名・史料名・特殊な語句を囲むために用いた。引用頻度が多く明らかに書名とわかるものについては省略した。
  3. 『 』は書籍のなかの文章を引用するときなどに用いた。
  4. →は、別の見出し語を「見よ」、詳細は書籍を「参照せよ」の意で用いた。

4.取り上げた地名の見出し語の属性と定義

  1. 見出し語(読みと漢字)に続いて、地名を下記の用語で区分し属性とした。
  2. ≪郷村≫:近世の行政単位(長宗我部地検帳~明治維新期)
  3. ≪町村≫:近代の行政単位(1889明治22年市町村制~現在)
  4. ≪地域≫:本書では、平成の町村合併以前の旧幡多郡大正町及び旧幡多郡十和村並びに旧高岡郡窪川町の街分・郷分・立西・松葉川・仁井田・東又・興津の9区域を「地域」と定義した。
  5. ≪行政区≫:数十世帯から数百世帯をひとまとめにした、ほぼ大字を一つの単位とした住民自治組織。地区とも部落とも呼ぶ。一つの行政区は、複数の組(班とも呼ばれる回覧板の回される範囲)で構成されることが多い。当該行政区を指す場合は、「○○地区」と表記した。
  6. ≪大字・字・ホノギ≫:明治の市町村制(1889明治22年)の施行時に従前の郷村を大字とし、その下にあった区画単位を字(小字)とした。地検帳の主となる田畠屋敷の区分け名称をホノギとした。一筆限絵図面に記載している字も含む。
  7. ≪区域≫:本書では、国土地理院発行の25,000分の1の地形図に明示されている、複数の行政区を呼ぶ地名を「区域」と定義した。興津地域では行政区の三つの集合体(島戸、浦分、小室)を総代といまでも読んでいるが、本書では区域と位置づけた。七里区域・米奥区域(松葉川地域)、大正北部区域(旧大奈路小学校校区以北)、打井川区域(口・中・奥)、広井区域(広瀬地区・井﨑地区で、旧広井小学校校区)等
  8. ≪集落≫:行政区の一部で通称として馴染みのある一定の範囲を呼ぶ地名を「集落」と定義した。25,000分の1の地形図に明示されている場合もある。行政区の一部である組(班とも呼ばれる回覧板の回される範囲)となる場合もある。上作屋地区の平田集落、大正中津川地区の本村集落、十川地区の白井川集落等
  9. ≪河川≫:河川法では一級河川(水系)を国の管理下に、二級河川を高知県管理とし、それ以外の普通河川のうち四万十町が指定したものを準用河川と呼び、この3区分以外の河川を普通河川という。本書では必要に応じて管理区分を併記する。見出し語となる河川の名称は、河川法上の名称を優先し、別の呼び名がある場合は(括弧)書きで示し、詳しい解説文が必要な時は、(→見出し語)と表記し改めて解説を加えることとした。また、州郡志等に掲載されている分類が「山川」となっている場合は、出典元のとおり区分した。
  10. ≪谷川≫:主に高知県ホームページの「高知県防災マップ」に登載された渓流で、河川以外の自然水流。
  11. ≪山・三角点≫:国土地理院発行の25,000分の1の地形図に明示されている山名と4等以上の三角点。その他歴史的文書に記載された山及び森林を加えた。
  12. ≪道路≫:道路法第8条の規定により四万十町長が議会の議決を経て認定した町道。その他添え蚯蚓へんろ道、矢立往還等の歴史的な道も加えた。トンネル・橋の施設も道路とした。